陸上100メートルの前世界記録保持者アサファ・パウエルが、ドーピング検査で禁止薬物の1つの興奮剤「オキシロフリン」の陽性反応が出たことによる、反ドーピング機関から18カ月の出場停止処分を受けています。
パウエル選手は、今回の処分に納得できず、スポーツ仲裁裁判所に申し立てを行う意向を示しているということです。
日本人選手では、ドーピング疑惑のある選手はちょっと思い当たりませんが、海外の選手の中ではドーピング疑惑をかけられている有力選手は決して少なくないようです。
特に陸上のドーピング違反は話題になります。陸上競技の中では、瞬発力と高い集中力が要求さえる100メートルなどの短距離と肉体の強さが記録に大きく関係するパワー系種目である砲丸投げやハンマー投げが多いように思います。
かつて、陸上競技の中長距離で圧倒的な強さをみせた馬軍団といわれた女子陸上選手にも強いドーピング疑惑がかけられていました。
結局、疑惑が強くなると選手が出場しなくなり、いつの間にか表舞台から姿を消しているのでドーピングが実際に行われていたのかもしれません。
スポーツ選手とドーピング疑惑はこれからも常についてまわることでしょうが、今回のアサファ・パウエル選手のドーピング違反はかなり残念です。
アサファ・パウエル選手は、同じジャマイカのウサイン・ボルトが世界記録を塗り替えるまで、約3年間100メートルの世界記録を保持していました。
2005年6月14日、9秒77を出し世界記録を更新、2007年9月9日には9秒74を出し自身の世界記録を更新しています。
ウサイン・ボルトが頭角を現す何年も前から陸上短距離界の第一線で活躍していましたが、不思議と世界選手権、オリンピックでの個人種目での金メダルがありません。
世界選手権では3位が2回ありますが、3度出場しているオリンピックではアテネと北京の5位が最高と長い間世界のトップクラスの成績を残している選手としては物足りない成績です。
大舞台では極度に緊張のため体が硬くなり、いつものフォームで走れないことが原因の一つといわれています。
興奮剤オキシロフリンの使用は大会中ではなく、しかも故意ではないと主張しているようですが、実際はどうなのでしょうか。
今ではドーピングの使用はとても巧妙になっており、ドーピングを使用した痕跡を消す薬物もあるそうです。
そこで、ドーピングの痕跡を消す薬物を使った場合でもドーピング違反となるようです。
しかし、ドーピングの使用は専門家である医者も加わり、組織ぐるみで行われているため、発見がますます困難になってきていて、まさにいたちごっこの様相です。
アメリカの有力陸上選手タイソン・ゲイ選手は以前からドーピング疑惑のあった選手ですが、今回パウエル選手と同様にドーピング違反が報告されています。
世界のトップクラスの選手はドーピングに塗れていると思わざるを得ないような結果です。
オリンピックや世界選手権で0.1秒、いや0.01秒いう極々わずかの時間でも早く走ることができれば、人生が大きく変わり、一躍スターダムにのし上がることができます。
ドーピングに手を染めてしまう理由もわからなくもないですが、やはりドーピングに手を出すことは許されません。
アサファ・パウエル選手の真実はどこにあるのか、はたまた真実が明らかになることがあるのか、ドーピングの闇は深そうです。
陸上のパウエル 薬物検出で資格停止処分
4月11日 6時10分
陸上男子100メートルの前の世界記録保持者でジャマイカのアサファ・パウエル選手が、ドーピング検査で禁止薬物が検出されたとして、ジャマイカの反ドーピング機関から18か月の出場資格停止処分を受けました。
これはパウエル選手が10日、自身のホームページで明らかにしました。
パウエル選手は、去年6月に行われたジャマイカ選手権のドーピング検査で、禁止薬物の1つで興奮剤の「オキシロフリン」の陽性反応が出ていました。
その後、もう1つの検体からも陽性反応が出たことなどから、ジャマイカの反ドーピング機関が10日、18か月の出場資格停止処分を決めたということです。
処分は、薬物が検出された去年6月にさかのぼって適用されるため、停止期間はことし12月20日までになるということです。
処分について、パウエル選手はホームページの中で、「私は禁止薬物を意図的に摂取したことはない。処分は重すぎるし、不公平で明らかに不当だ」として、スイスにあるCAS=スポーツ仲裁裁判所に申し立てを行う意向を示しました。
パウエル選手は31歳、2005年に9秒77で男子100メートルの世界記録を3年ぶりに更新し、2007年には9秒74をマークするなど、同じジャマイカのウサイン・ボルト選手に記録を塗り替えられるまで3年近く世界記録を保持していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140411/k10013657931000.html
陸上:パウエルに資格停止18カ月 ドーピング違反
毎日新聞 2014年04月11日 01時34分
ロイター通信によると、ジャマイカの反ドーピング機関は10日、陸上男子100メートルの前世界記録保持者、アサファ・パウエル(ジャマイカ)に18カ月の資格停止処分を科したと発表した。
資格停止期間の開始は検体を提出した昨年6月21日にさかのぼり、ことし12月20日までとなる。
31歳のパウエルは昨年6月に行われたジャマイカ選手権のドーピング検査で禁止薬物の興奮剤オキシロフリンに陽性反応を示し、予備のB検体も陽性だった。(共同)
http://mainichi.jp/sports/news/20140411k0000m050167000c.html
陸上=前世界記録保持者パウエル、禁止薬物で18カ月資格停止
ロイター 4月11日(金)11時52分配信
[キングストン 10日 ロイター] -陸上男子100メートルの前世界記録保持者、アサファ・パウエル(31、ジャマイカ)に10日、18カ月の資格停止処分が科された。ジャマイカ反ドーピング機関が発表した。
パウエルは昨年6月のサンプルが陽性反応を示し、今年12月まで出場停止が続く。
パウエルは声明で、「自分が陽性反応を示したのは興奮剤で、大会中のみ禁止されている。専門家の間では能力を向上させる作用はないと認識されている」と主張。
これまで150回以上の検査を受けてきたが、問題があったのは初めてであり、処分は警告のみ、悪質でも長くて6カ月の処分となるのが通例だとし、異議申し立てを行う意志を示した。