ニューヨークヤンキースの黒田博樹投手が、ボルチモアオリオールズ戦に本拠地ニューヨークの今季最終戦で今季最後の登板に挑みました。
何とも黒田らしい投球内容だったと思います。
先頭打者にいきなりホームランを打たれると、次の打者にもホームランを打たれいきなり2点ビハインド。
その裏ヤンキースもすかさず同点に追いつくとその後の黒田は安定したピッチングを披露し、追加点を許しません。
2回以降は危なげない投球で、失点するスキのないピッチングでした。
この試合はヤンキースの英雄デレク・ジーターの本拠地最終戦でもあり、普段とは明らかに雰囲気の異なった異様な盛り上がりを見せていました。
試合はヤンキースが勝ち越し、5-2で9回を迎えます。
8回まで95球で今期最終登板ということを考えると9回に出る可能性もありましたが、ジラルディ監督は迷わずクローザーのデイビッド・ロバートソンを投入します。
黒田は9回に登板していれば200イニングを達成するというところでしたが、わずか1イニングでこの記録を逃していしまいました。
おそらく200イニングを達成すれば、出来高で数万ドルのボーナスがついたのでしょうが、それも逃すことになっています。
もっとも、黒田くらいの投手なれば、出来高の数万ドルなどはほとんど関係ないレベルのものでしょうけど。
ロバートソンはここまで3勝5敗38セーブをあげていますが、昨年までヤンキースのクローザーを長年務めたマリア―ノ・リベラと比べるとやはり安定感に欠けています。
しかし、この日は不安定な投球がジーターの引退をドラマティックに飾るための序章になりました。
まず、2ランホームランを打たれ1点差にされると、さらに同点ホームランを打たれ、なんと5-5の同点で9回裏を迎えることになります。
そして9回裏2塁にランナーをおいた場面で、打席にはジーター。
球場がジーターのサヨナラ安打を期待するなか、初球をジーターらしく1、2塁間をしぶとく抜けるライト前ヒット。
サヨナラのランナーがホームインし、劇的なジーターのサヨナラ安打。
脚本が予めあったかのような劇的な幕切れでした。
まさに英雄ジーターの有終の美を飾る華麗なサヨナラ安打でした。
これに割を食ったのは黒田博樹ですが、この日ばかりは黒田もこの劇的なシーンを見ることができて満足だったことでしょう。
黒田はこれで今季11勝9敗で終了です。
来期ヤンキースと契約を更新するのか否かはまだわかりませんが、今季の投球を見ると来季もヤンキースにとって不可欠な存在になりそうです。